失敗から生まれた成功、バイアグラが誕生した経緯

医学的な知識などほとんどない人でも、バイアグラという名前を聞いたら、どのような薬なのかほとんどの人が知っているでしょう。

バイアグラは勃起障害(ED)の治療薬として世界で初めて誕生した薬です。

1998年1月にアメリカで誕生し、日本では翌年の1999年に発売が開始されました。

勃起障害に効く薬が日本でも発売されているという噂は、またたく間に広がり、街中の薬局では「バイアグラあります」というのぼりを立てたり、大きな貼り紙やPOPを貼ったりしました。

子どもが薬局ののぼりを見て、「バイアグラって何?」などと聞いてきたから、答えに困ってしまったというお父さんやお母さんもたくさんいました。

この薬が誕生したのは、失敗から生まれた成功と言えるストーリーがあります。

この薬は、元々は虚血性心疾患の1つである狭心症の治療薬として開発を行っていた薬です。

シルデナフィルという成分を使って開発を進めていました。

研究開発の臨床実験の際に、シルデナフィルが試験薬として被験者たちに渡されました。

被験者たちはシルデナフィルを指示されたとおりに服用しましたが、狭心症に対する効果は乏しく、残念ながら実験は中止となりました。

もはや狭心症治療薬の開発は、諦めるしかないような状態でした。

研究者たちは、被験者に配った薬を回収しようとしました。

ところが、被験者から薬が一向に戻ってこない、という事態が起きました。

「いったいどうしてなのだ、どういうことなのだろう?」と、研究者たちが被験者を問いただしたところ、陰茎が勃起するのでこの薬がぜひとも欲しい、と言うのです。

そこで、狭心症の薬としての開発は諦めましたが、路線を変えて勃起障害の薬としての開発を進めていきました。

そこから数年後、シルデナフィルは勃起障害を改善する夢のくすりとして取り上げられ話題となりました。

そして、1998年にアメリカで認可され、翌年から販売されたのです。

生き生きとしたと言う意味のVITALとナイアガラの滝のNAIAGARAを合わせて、バイアグラと名付けました。

アメリカでの人気は日本でも同様で、瞬く間に売り切れる薬局が続出し、入荷するや否や、前述のように「あります」というのぼりを立ててアピールする薬局も多く見られました。

今ではすっかりお馴染みの薬ですが、誕生するまでにはこのようなエピソードがありました。

棚から牡丹餅と言えばいいのでしょうか、世の中はいつ何が起きるのか分らないものです。

雑学程度の話題ですが、こういったことも知っておくと良いでしょう。